心の優しい美人弁天の由来
足利市本城の地に住む八重は、代々短命の家系に生まれ、数々の災いが降り掛かる自分の家にまつわる言い伝えに悩まされ、自らも身体も弱く、貧しさの中、苦しみ、悲嘆にくれていました。
十八歳を過ぎたある日、旅の先達様が通りかかりました。悩みにひしがれていた八重は、お茶を一杯出しながら、身の上話をしました。
先達様は、「この地に清泉の湧く池があり、そこに弁天が祀られています。この弁天に百日おまいりすれば、あなたの人生はきっと変わりますよ。」と言い残して旅立っていかれました。
八重は、先達様の言葉を信じ、毎日毎日、弁天に心を込めて、一心に祈りを続けました。お参りを始めてちょうど百日目、一人の若者に出会い、夫婦になりました。その後、七人の子宝にも恵まれ、幸せを享受できるようになりました。
先達様が言われたように、弁天に祈ることによって、八重の人生は変わりました。
弁天のご加護のもと、世の悲しみも苦しみも越えて、幾年月を経て、 八重は多くの孫たちに囲まれ、「健康」にも恵まれ、楽しく心豊かな人生を送ることができました。悩み苦しんだ短命の言い伝えは八重の代で終止符を打ち、「長命」を授かりました。八重は幸せの中で「美しい」人生を送り、百二歳の天寿を全うしました。そして、弁天の「護符を胸に」在世に感謝しつつ、八重は「花鳥の黄泉の国」へと旅立ちました。


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